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サービスが低いお店はどうあるべきか

2017.6.13

好きな野菜はカリフラワーです。三根です。

先日、市場内にあるプレハブで、おじいちゃんとおばあちゃんで切り盛りしている中華料理屋に行きました。
新しく出店されるお店で、なかなかこういったテイストのお店ってないので、継ぐ人がいないと淘汰されていってしまうのかなー、などと考えつつ、入店。

その日は市場が休みの日だったため、市場はガラッとしていました。
先にいたお客さんは4〜5人程度。

サービスがないことの当たり前さ

入店。

おばあちゃんがジロッとカウンターの中からこちらを確認。
しかし、動く気配はなく、「おじいさんが作った料理を受け取るための待機で忙しい」といった雰囲気。

席は案内されないので、勝手に座る。

水はこないのでカウンターにある給水器まで注ぎにいく。

おばあちゃんは配膳以外はカウンターから出て来ないので、注文は席からやや声を張って伝える。

待つこと数分。ボリューミーな中華料理が登場。

さて、この間、おばあちゃんは本当に必要最低限な動きしかしてません。
一番遠征をしたのは、厨房から料理を運ぶときでした。さすがに、料理は席まで持ってきてくれます。

後半書くことが誤解を産まないために先に弁明しますが、私はこういうお店は好きです。

客側にも礼はあって、「食べてやってるから偉い」わけではなく、お店のスタンスに合わせてこそ、だと思ってます。そのスタンスがぶれてなければ、という前提ですが。

オペレーションとサービスのあり方

サービスとはなんのためにあるのか。

飲食店も多様化して、ファーストフード店やフードコートでは、注文やサーブ、片付けなどといった、レストランでは店員が行うのオペレーションの一部を客が行う場合も多いです。
また、サービスは行うが、画一的で安定的なサービス方法を提供するチェーン店もあります。

おおまか4つのサービス形態

A・ハイレベルなサービス(サービスにも価値がある) 高級レストラン、料亭など
B・マニュアル化されたサービス(安定的なサービスを提供。ある程度サービスにコストをかけるが、コスト効率重視)ファミレス、チェーン居酒屋など
C・サービスをできるだけ排除(効率重視・サービスコストをかけず安価で提供、もしくはコストカット)ファーストフード、フードコート、100円回転寿司など
D・サービスをしない、もしくはサービスレベルを個人に依存(マンパワーにサービスが付加された、または暗黙の了解で客に手伝ってもらう)個人居酒屋、個人定食屋など

サービスの質の良し悪し、というよりかは、サービスに対する考え方で以上に分けてみました。

Dの悲劇

「あの店は味はいいが、サービスは悪い。だからダメだ」
私にもそんな時期がありました。

以上の分類は便宜上、サービスの良し悪しでA→Dという順番にしました。

ですが、言いたいのはD分類が必ずしもダメ、ということではありません。

むしろルーツを辿れば、AかDしかなく、BCはより近代的なサービススタイルだと言えます。

誰もが安定したサービスを安価で受けることに慣れてしまった現代、ある種態度が悪いことがパフォーマンスとして成立していたりする店舗以外で、サービスが悪かったりすると、執拗に叩かれたりする時代です。

その口コミの評価だけでお店に行かない選択をする人も。

誰だって「嫌な想いをする」というところにわざわざ行きたくないのです。

サービスの質を下げる常連・職人・教育

もちろん憂いてばかりいる場合ではないので、サービスの質を上げる努力は必要です。

主にサービスの質を下げる要因は、常連、職人、教育だと思います。

常連と店のカラミ

サービスというか、もっとトータルのイメージですが、一見で行ったお店で、居心地の悪い思いをしたことがある人は少なくないと思います。

常連と店主が内輪話を続けていたり、明らかに常連と一見客の扱い方が違う。

紹介制の店に迷い込んでしまった一見客ならいざ知らず、客に居心地の悪い思いをさせるのは避けたいです。

確かに常連は大切です。

また、ついつい気心の知れた常連と話してしまうのも人情ですが、同じ気持ちで一見の客に対しても話しかければ、居心地の悪さも感じさせない上に、印象の良さを与えることもできるかもしれません。

職人の無愛想

職人気質な料理人がお店を経営している場合に気をつけたいのが、無愛想。

強いこだわりを持っているのにそれを表現しなかったり、店の雰囲気が重くなるほど無愛想な方々。

もちろん威厳が商品の価値を上げていると解釈することもできますし、流行っている時間や繁忙時は客が勝手に来るのでいいかもしれませんが、ふと閑散期に来た客に想像以上にマイナスイメージを与えてしまう場合があります。

味の良さとの天秤で、我慢できるサービスと、そうでないサービスがあります。 バランスが大事です。

教育の個人の能力主義

近年はマニュアルがある大手すら教育に手を焼く、いわば世代の「過渡期」です。

新しい世代の教育方法が確立されず、文化の違いに世代以上の壁を感じることも多く、それは飲食店で働くスタッフも同じです。

多くの応募者が募れて、優秀な人が雇えればそれに越したことはありませんが、なかなか選べないという場合も多々あります。

教育を体系化するのは難しいと言えるので、どれだけ想いを共有でき、「働くということ」から教えてあげるといいでしょう。

とにかく1段階でもサービスを上げる

冒頭で話したように、私はサービスの質よりも、「そのお店がどうあるのか」が確立していれば問題ないと思ってます。

しかし、物事がテンプレート化され、ステレオタイプに判断される現代においては、少しは「一般標準のサービス」というものを意識したほうがいいとも思います。

今回はサービス向上についてはまったく深掘りしませんでしたか、興味の尽きない分野なので、様々な方向から考えていきたいと思います。